私、今日も鏡の前に座っています。制服に身を包んだ姿を映す鏡には、まだあどけなさの残る16歳の顔。でも、これからその表情が少しずつ変わっていくんです。そう、メイクの魔法によって。
最初は不安でした。中学を卒業して、高校に入学した春。周りの女の子たちは、みんな自然なのに華やかで、表情が明るくて。私も憧れていたんです。でも、化粧品売り場に行くと、たくさんの商品に圧倒されて。どこから始めればいいのかさえ、わからなかった。
そんな私の背中を押してくれたのは、クラスの親友の美咲でした。「ナチュラルメイクなら、そんなに難しくないよ!」って。彼女が教えてくれた通り、まずは基本のスキンケアから始めました。朝と夜、丁寧に洗顔して化粧水をつける。乾燥が気になる部分には、保湿クリームを。これだけでも、肌の調子が変わってきたんです。
次は、ベースメイク。美咲おすすめの薄付きのBBクリームを使い始めました。最初は付け方がわからず、ムラになったり厚塗りになったり。でも、指先でやさしくポンポンとなじませていくうちに、自然な仕上がりができるようになってきました。
驚いたのは、眉毛を整えただけで、こんなにも印象が変わるということ。眉毛用のパウダーで自然に描き、ブラシでぼかすだけ。でも、それだけで顔立ちがくっきりして、表情が明るく見えるんです。
そして、アイメイク。これが一番難しかったかも。でも、ブラウンのアイシャドウを薄く入れるだけでも、目元が優しい印象に。マスカラは下まつ毛だけにして、つけすぎない工夫も覚えました。
チークは、指先でクリームタイプをポンポンと。ほんのり血色が良くなるだけで、元気な印象に変わります。リップは、ティントタイプを選んで。唇の真ん中だけにポンと置いて、指でぼかすと自然な血色に。
毎朝の準備時間は、たった15分。でも、その15分で私は少しずつ変わっていきました。鏡を見るのが楽しくなって、自然と笑顔が増えていったんです。
「最近、明るくなったね」って、クラスメイトに言われることも。それは、メイクのおかげだけじゃない。自分らしさを見つけていく過程で、自信がついてきたから。
ナチュラルメイクの良いところは、あくまでも私は私のまま。でも、ちょっとだけ輝きをプラスできること。派手すぎない、でも素顔よりちょっとだけ特別な私になれる。
今では、制服を着て、さっと身支度を整えるのが毎日の楽しみに。友達とコスメの話で盛り上がったり、新作を一緒に試したり。メイクを通じて、新しい会話も増えました。
休日には、美咲と一緒にドラッグストアや化粧品売り場に行くのが定番に。今度は私が、メイクに悩む後輩にアドバイスできるようにもなりました。「ナチュラルメイクって、自分に自信をつけるきっかけになるんだよ」って。
大切なのは、メイクを楽しむこと。失敗を恐れずに、自分に似合うものを見つけていく過程を大切にすること。派手なメイクが苦手な人でも、ナチュラルメイクなら自分らしさを保ちながら、ちょっとした変化を楽しめるんです。
最近は、季節によって少しずつメイクを変えることも覚えました。夏は汗で崩れにくいアイテムを選び、冬は乾燥対策をしっかりと。そうやって、季節に合わせたメイクを楽しむのも、新しい発見です。
そして何より、メイクは気分転換にもなります。朝、気分が乗らない日でも、いつものメイクルーティンをこなしていると、少しずつ前向きな気持ちになれる。それは、まるで魔法のよう。
今日も鏡の前で、私は少しずつメイクを重ねていきます。ナチュラルに、でも確実に。この瞬間が、一日の始まりの儀式。メイクを通じて見つけた自分らしさは、きっとこれからも私の大切な味方になっていくはず。
まだまだ覚えることはたくさんあります。でも、焦る必要はない。一歩一歩、自分のペースで。そうやって見つけていく自分らしいメイク。それは、誰かのものをそのまま真似するのではなく、私だけの特別なものになっていくんです。
鏡に映る顔が、少しずつ大人っぽくなっていくのを感じます。でも、それは決して派手な変化ではなく、自然な成長の過程。ナチュラルメイクは、そんな私の成長に寄り添ってくれる、大切な味方なんです。
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