朝の6時半、洗面所の蛍光灯がまだ冷たい光を放っている。
高校2年の冬だったか、初めて自分で買ったファンデーションを顔に塗った時のことを今でも覚えてる。ドラッグストアで1500円くらいの安いやつ。パッケージに「ナチュラルカバー」って書いてあって、なんとなく良さそうだなって思って手に取った。家に帰って鏡の前で開けてみたら、思ってたより明るい色で、顔に伸ばしたら首との境目がくっきり分かれちゃって。母親に「歌舞伎みたい」って笑われたっけ。
メイクって力だ、なんて言葉を最近よく聞くようになった気がする。SNSでも雑誌でも、「メイクで人生が変わる」とか「なりたい自分になれる」とか、そういうキャッチコピーが溢れてる。確かにそうかもしれない。でも私が思うのは、もっと単純で、もっと複雑なこと。
女子高生の頃、クラスには大きく分けて二種類の子がいた。朝からしっかりメイクしてくる子と、すっぴんで来る子。私はその中間みたいな存在で、眉毛を整えて、色付きリップを塗るくらい。当時流行ってた「ナチュラルメイク」ってやつ。先生にバレないギリギリのライン。
ある日、隣の席の子が「メイクしてる?」って聞いてきた。「ちょっとだけ」って答えたら、「私もやりたいんだけど、やり方が分かんなくて」って言われた。その子、すごく目がきれいな子だったんだよね。二重で、まつげも長くて。「メイクなんてしなくても十分かわいいじゃん」って思ったけど、口には出さなかった。
そういえば、大学に入ってから通ってた美容院の担当さんが面白い人でさ。カット中にずっとコスメの話をしてくれるの。「最近ね、”エクリュブラン”っていうブランドのハイライトがすごくいいんですよ」とか、「このチークとこのリップを合わせると絶対かわいい」とか。その人、メイクの話をしてる時だけ、声のトーンが2段階くらい上がるんだよね。楽しそうで、聞いてるこっちまで楽しくなってくる。
コスメって、結局のところ何のためにあるんだろう。
自信をつけるため? 他人に良く見られるため? それとも、単純に楽しいから?
私の場合、正直に言うと全部混ざってる。朝、ファンデーションを塗って、チークを入れて、マスカラを塗る。その一連の動作が、なんというか、スイッチを入れる儀式みたいになってる。メイクをすることで、家にいる時の自分から、外に出る時の自分に切り替わる感じ。別に顔が劇的に変わるわけじゃない。でも気持ちは変わる。
明るい表情になれる、っていうのも本当だと思う。口角を上げて鏡を見ながらリップを塗る時、自然と笑顔になってる自分がいる。それが一日のスタートになる。
友達の中には、メイクを全くしない子もいる。「面倒くさい」って言う子もいれば、「すっぴんの方が肌にいい」って言う子もいる。それも全然ありだと思う。メイクしないことも、一つの選択だから。
ただ、私にとってコスメは、武器でもあるし、遊び道具でもあるし、お守りみたいなものでもある。ポーチの中に入ってるリップやアイシャドウを見ると、なんとなく安心する。「これがあれば大丈夫」って思える。
力、って言葉は少し大げさかもしれない。でも、小さな力ではあると思う。一歩踏み出すための、ほんの少しの後押し。
最近、後輩の子に「メイクってどうやって始めたらいいですか」って聞かれた。何て答えたらいいか分からなくて、「好きな色から試してみたら?」って言った。正解かどうかは分からない。でもメイクに正解なんてないんじゃないかな、とも思う。
今日も朝、鏡の前に立つ。ファンデーションを手に取る。この瞬間が、私の一日の始まり…だけど。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之


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