朝の6時半、洗面台の前で私は今日も顔を作ってる。
高校2年の冬あたりから、この習慣が始まった。別に誰かに教わったわけじゃない。ただ、ある日突然「このままじゃ嫌だ」って思っただけ。きっかけなんて些細なもので、たぶん好きだった先輩が他のクラスの子と廊下で笑ってるのを見たとか、そんな程度の話。覚えてないけど。
最初に買ったのはドラッグストアで980円のBBクリームだった。塗り方も何も分からなくて、指でベタベタ伸ばしたら顔が白浮きして、友達に「具合悪いの?」って心配された。恥ずかしかったな、あれ。でもその日の帰り道、スマホで「ナチュラルメイク 初心者」って検索してる自分がいて、なんだか少し大人になった気がした。勘違いだったけど。
メイクって不思議で、塗れば塗るほど「素顔」から遠ざかるはずなのに、ちゃんとできたときは逆に「自分らしい顔」になる。矛盾してるよね。眉毛ひとつ描くだけで表情が変わる。チークをほんの少し頬に乗せるだけで、血色が良くなって健康的に見える。リップを塗れば、口元がぼやけなくなって輪郭がはっきりする。
ところで全然関係ないんだけど、去年の夏に友達とプールに行ったとき、みんなすっぴんだったわけ。当たり前なんだけど。で、そのときに気づいたのが「あれ、みんな普段とそんなに変わらなくない?」ってこと。私は絶対変わってると思ってたから、ちょっと拍子抜けした。むしろ一番変わってたのは、いつもバッチリメイクしてる担任の先生が付き添いで来てて、その先生のすっぴんを見たときだった。別人すぎて最初誰か分からなかった…。
力、って言葉を使うと大げさに聞こえるかもしれない。でも本当にそう思う。化粧って鎧みたいなもので、これを纏うと少しだけ強くなれる。教室に入るときの一歩目が軽くなるし、人と話すときに目を見て喋れるようになる。別に派手にしてるわけじゃない。ファンデーションは薄く、アイメイクもブラウン系で控えめに。それでも「ちゃんとしてる自分」を演じられる。
母親は「高校生のうちは肌を大事にしなさい」ってよく言う。正論だと思う。でも、正論だけじゃ生きていけない日もある。テストの点数が悪かった日とか、好きな人に話しかけられなかった日とか、なんとなく自分が嫌いになる日とか。そういう朝は、いつもより丁寧にコスメを並べて、ひとつひとつ丁寧に塗っていく。パウダーを乗せる瞬間のふわっとした感触とか、リップブラシで輪郭をなぞるときの集中する感じとか、そういう小さな儀式が私を落ち着かせてくれる。
友達の中には「メイクなんてしなくても可愛い子」もいる。羨ましいと思う。本当に。
でも最近気づいたのは、メイクって「可愛くなるため」だけにするものじゃないってこと。もちろんそれもあるけど、それだけじゃない。朝の自分と向き合う時間でもあるし、今日一日をどう過ごすか決める儀式でもあるし、「よし、行くか」って気持ちを作るスイッチでもある。鏡の中の自分に「今日も頑張ろうね」って声をかける、そんな時間。
クラスの男子は「女子ってメイクするの大変そう」とか言う。大変だよ、実際。朝早く起きなきゃいけないし、お金もかかるし、肌荒れもする。でも、それでもやめられないのは、これが私にとって必要な「装備」だから。RPGでいう武器とか防具みたいなもの。素手で戦場に行くのは怖いでしょ。
誰かに見せるためだけにやってるわけじゃない。自分のためでもある。その境界線はたぶん曖昧で、はっきり分けられるものじゃない。
今日も洗面台の前で、私は自分の顔を作ってる。完璧じゃないし、プロみたいに上手くもない。それでも、これが今の私にできる精一杯の「準備」で、これをしないと一日が始まらない。コスメの蓋を閉めて、もう一度鏡を見る。まあ、こんなもんか。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之

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