目覚まし時計のアラームではなく、カーテンの隙間から差し込む柔らかな光に目を覚ます朝。今日は休日。誰かに会う予定もなく、予定表に縛られることもない、完全に自分だけの時間が流れている。こんな日こそ、いつもより少しだけ丁寧に自分と向き合いたくなる。そんな思いで、私はドレッサーの前に座った。
平日の朝は時間との戦いだ。効率を優先し、手早くベースメイクを済ませ、マスカラを一塗りして家を飛び出す。そんな慌ただしい日々の中で、メイクはいつしか義務のようなものになっていた。だが休日は違う。今日のメイクは誰かのためではなく、完全に自分のため。自分の肌に触れ、自分の顔をじっくりと見つめ、自分が心地よいと感じる色や質感を選ぶ。そんな贅沢な時間を、今日は思う存分味わいたい。
まず手に取ったのは、オーガニックのスキンケアライン。休日のメイクは、何よりもまず肌を整えることから始まる。化粧水を手のひらで温めてから顔に押し当てると、植物由来の優しい香りがふわりと広がる。ラベンダーとカモミールのブレンドだろうか。深呼吸をすると、肩の力が自然と抜けていくのを感じる。この瞬間から、もう特別な時間が始まっているのだ。
次に選んだのは、ミネラル成分だけで作られたファンデーション。石油系の成分を一切使わず、天然の鉱物だけで肌を美しく見せてくれる優れものだ。テクスチャーは驚くほど軽く、肌に乗せても重さを感じない。指先でくるくると円を描くように伸ばしていくと、まるで素肌が呼吸しているかのような軽やかさが残る。厚塗り感のない、透明感のある仕上がり。これこそが、休日の自分に相応しいナチュラルな美しさだと思う。
チークは淡いピーチカラーを選んだ。天然の色素で作られたこのコスメは、発色が柔らかく、まるで内側から血色が良くなったかのような自然な仕上がりになる。ブラシでふわりと頬に乗せると、鏡の中の自分が少しだけ明るい表情になった。リラックスした休日だからこそ、メイクもリラックスした雰囲気で。力まず、自然体で、ありのままの自分を少しだけ引き立てる。それが今日のテーマだ。
アイメイクも最小限に。ナチュラル派のコスメブランドから出ている、植物オイルベースのアイシャドウを選ぶ。色はベージュとブラウンの中間のような、肌なじみの良いニュートラルカラー。ラメやパールは控えめで、マットすぎず、ツヤすぎず、ちょうど良いバランス。まぶたに指でポンポンと乗せていくと、目元に自然な陰影が生まれる。マスカラも、お湯で落とせるフィルムタイプの軽いもの。まつ毛一本一本をコーティングするように丁寧に塗っていく。急ぐ必要はない。この時間そのものが、私にとってのリラックスタイムなのだから。
リップは色付きのリップバームを選んだ。シアバターとホホバオイルがたっぷり配合されていて、唇をケアしながら自然な血色感を与えてくれる。色はほんのりとしたローズピンク。鏡を見ると、そこには作り込んだ顔ではなく、健康的で生き生きとした、自然体の私がいた。
メイクを終えた後も、その余韻を楽しむようにドレッサーの前でゆっくりと過ごす。お気に入りのコスメたちを眺めながら、それぞれの質感や香りを思い出す。自然派のコスメを選ぶようになってから、メイクの時間が変わった。以前は「仕上げる」ことが目的だったが、今は「過ごす」時間になった。肌に触れる感覚、香りを楽しむこと、色を選ぶ楽しさ。そのすべてが、自分自身と向き合う大切な時間なのだと気づいた。
休日に自分のためだけに化粧をするという行為は、一見すると無駄に思えるかもしれない。だが、そうではない。これは自分を大切にするための儀式であり、心を整えるための時間なのだ。ナチュラルなコスメを使うことで、肌への負担を減らしながら、自分本来の美しさを引き出す。そして何より、その過程そのものがリラックスとなり、心の栄養となる。
窓の外では鳥たちがさえずり、風が木々を揺らしている。今日という休日は、誰のものでもない、完全に私だけのもの。そんな特別な一日の始まりを、自然派のコスメとともに迎える。これ以上の贅沢があるだろうか。鏡の中の自分に微笑みかけながら、私はゆっくりと立ち上がった。さあ、この素敵な休日を、心ゆくまで楽しもう。
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組織名：株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名：上辻 敏之
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