あの日、集合時間の10分前に着いたのに、もう半分くらいみんな来てた。
春先の公園って独特の匂いがする。土と新芽が混ざったような、ちょっと青臭い感じ。太陽の角度がまだ低くて、木の影が長く伸びてる時間帯が一番好きかもしれない。誰かがコンビニで買ってきたアイスコーヒーのカップを握りしめながら、芝生にレジャーシート広げてる。私も適当に端っこに座って、スマホいじりながら残りのメンバー待ってたんだけど。
そこに遅刻ギリギリで走ってきたのが、いつも完璧メイクで有名なユリだった。息切らして「ごめん、寝坊した!」って叫びながら近づいてくるんだけど、なんか様子がおかしい。近くで見たら、すっぴん。いや、正確には眉毛だけ描いてる。「やばい、コスメポーチ忘れた」って、彼女にしては珍しくパニクってて、でもなんか新鮮だった。
みんなで「別にいいじゃん」って言ったんだけど、本人は気にしてるっぽくて。最初の30分くらい、ずっと前髪いじってた。フリスビー投げても、写真撮ろうとしても、「ちょっと待って、角度が」とか言い出す始末。
そういえば去年の夏、海に行ったときも似たようなことあったな。あのときは私が日焼け止め忘れて、結果的に背中が真っ赤になって三日間苦しんだんだけど…まあ、それは関係ない話か。
でも面白いもので、昼過ぎくらいになったら、ユリも諦めたのか、普通に笑うようになってた。というか、むしろいつもより表情が豊かに見えた。口紅がないから食べ物気にせず食べられるし、アイメイクないから汗かいても気にならないし。「意外と楽かも」って本人が言ってて、周りも「そうそう」みたいな空気になった。
公園の木陰で寝転がってるとき、ふと思ったんだけど。コスメって結局、鎧みたいなものなのかもしれない。別に悪い意味じゃなくて。外に出るときに身につける、自分を守るための道具。それがないと不安になるけど、たまに忘れると、意外と素の自分でもいけるんだって気づく。
夕方近くになって、斜めから差し込む太陽の光が眩しくなってきた頃。ユリが突然「次はすっぴんデーにしようよ」って言い出して、みんな「え〜」って反応したんだけど、なんとなく悪くないかもって空気にはなった。実現するかは知らないけど。
帰り道、駅まで歩きながら、ユリが「でもやっぱり明日からはちゃんとメイクする」って宣言してて、それもまた彼女らしいなと思った。結局、コスメがあってもなくても、本人が心地よければそれでいいんだろうし。
公園の遊具に座ってた小学生くらいの女の子が、キラキラしたリップクリームみたいなの塗ってたのが目に入った。あれ、たぶん「プチプリエ」とかいうブランドのやつだ。ああいうのから始まって、だんだん本格的なコスメに移行していくんだろうな。
私自身はそこまでメイクに力入れてるわけじゃないけど、それでも朝、ファンデーション塗るときの、あの「よし」って気持ちはわかる。スイッチが入る感じ。逆に休日、一日中家にいるときは何もしないけど、それはそれで解放感がある。
結局、あの日は夜まで公園にいて、暗くなってから解散した。ユリは最後まですっぴんのままで、でも誰も気にしてなかった。次の日、LINEで「昨日は楽しかった」ってメッセージ来たとき、スタンプの顔文字がいつもよりシンプルだった気がする。気のせいかもしれないけど。
たぶん、また同じメンバーで集まることになると思う。そのときユリがどんな顔で来るのか、ちょっと楽しみだったりする。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之

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