朝の光が窓から差し込む部屋で、私は小さなネイルボトルを手に取った。透明感のあるピンクベージュ。今日はこの色に決めた。蓋を開けると、ほのかに甘い香りが広がる。コスメの香りって、どうしてこんなにワクワクするんだろう。爪先に色を重ねる瞬間、まるで自分だけの小さな魔法をかけているみたいで、心が弾む。
ネイルを塗るという行為は、私にとって単なる身だしなみではない。それは自分と向き合う大切な時間であり、静かな心を取り戻すための儀式のようなものだ。忙しい日常の中で、ほんの十数分でも自分のためだけに使う時間。それがどれほど贅沢で、どれほど必要なことか。ネイルを塗りながら、私はいつも自分の内側に耳を澄ませる。
最初にベースコートを塗る。薄い膜が爪を守ってくれる安心感。次にカラーを重ねる。一度目は薄く、二度目で色を整える。筆先が爪の上を滑る感触に集中していると、不思議と雑念が消えていく。呼吸が深くなり、肩の力が抜けていく。これこそが、静かな心との出会いの瞬間だ。
コスメというものは、ただ美しくなるための道具ではない。それは自分自身と対話するための入り口であり、内面の静けさへと続く扉なのだと、私は最近気づいた。ドレッサーの前に座り、鏡に映る自分を見つめながら、今日の気分を色で表現する。赤を選ぶ日もあれば、ヌードカラーを選ぶ日もある。その選択自体が、自分の心の状態を知る手がかりになる。
今日選んだピンクベージュは、優しさと強さを併せ持つ色だ。派手すぎず、でも存在感がある。こういう色を選ぶ時、私の心は落ち着いていて、でもどこか新しいことへの期待に満ちている。ネイルを塗りながら、今日一日がどんな風に展開していくのか、ワクワクしながら想像する。
コスメカウンターで新しいネイルカラーを探す時間も、私は大好きだ。無数に並ぶボトルの中から、今の自分にぴったりの一本を見つける喜び。店員さんと話しながら、季節のトレンドや新色について聞く時間。それはまるで宝探しのようで、心が躍る。そして家に帰って実際に塗ってみる瞬間の高揚感。期待通りの色だった時の満足感は、何にも代えがたい。
ネイルが乾くのを待つ間、私は窓の外を眺める。街路樹の葉が風に揺れている。雲がゆっくりと流れていく。この何気ない景色が、ネイルを塗った後の静かな心には、いつもより鮮やかに映る。五感が研ぎ澄まされるような感覚。これが、自分を大切にするということなのかもしれない。
友人に「ネイル、可愛いね」と言われる瞬間も嬉しい。でもそれ以上に嬉しいのは、自分自身が鏡を見るたびに、指先に目がいって、小さな幸せを感じられることだ。キーボードを打つ時、コーヒーカップを持つ時、髪を耳にかける時。何気ない動作の中で、ふと目に入る爪先の色が、一日に何度も小さな喜びを運んでくれる。
コスメの力って、本当に不思議だ。たった一本のネイルボトルが、こんなにも心を豊かにしてくれる。高価なものである必要はない。大切なのは、それを選ぶ時のワクワク感と、塗る時の集中力と、仕上がった時の満足感。その一連のプロセス全体が、私に静かな心との出会いをもたらしてくれる。
最後にトップコートを塗る。艶が増して、色が一層鮮やかになる。完成した爪先を眺めながら、私は深く息を吸う。今日も良い一日になりそうだ。そんな予感がする。ネイルを塗るという小さな行為が、一日の始まりを特別なものに変えてくれる。
コスメを通じて自分と向き合う時間。それは決して無駄ではない。むしろ、忙しい現代社会を生きる私たちにとって、必要不可欠な時間なのかもしれない。静かな心と出会うための、大切な入り口。ネイルボトルの蓋を閉めながら、私はそう確信する。
さあ、今日も素敵な一日が始まる。指先に宿った小さな魔法とともに、私は部屋を出る。ワクワクする気持ちを胸に、新しい出会いや発見が待つ世界へと、一歩を踏み出すのだ。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之


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