窓の外は夕暮れ時。今夜は、長らく楽しみにしていた会社の年末パーティー。鏡の前に座り、メイクポーチを開けながら、胸の高鳴りを感じています。
化粧台に並べられたコスメたちは、まるで私の小さな味方たち。ベースメイクから、アイメイク、リップまで。それぞれが特別な役割を持って、今夜の私を輝かせてくれることでしょう。
まずは丁寧にスキンケア。いつもより少し時間をかけて、化粧水を肌に染み込ませます。夜のパーティーで長時間メイクが崩れないように、下地作りは特に念入りに。保湿クリームを塗り終えると、すでに肌は期待に胸を膨らませているかのように、いつもより艶やかに見えます。
ファンデーションは、今日のために先週購入した新作を選びました。カバー力がありながら、素肌感を残せる絶妙なテクスチャー。少しずつ丁寧に伸ばしていくと、まるでフィルターをかけたような完璧な肌に仕上がっていきます。
アイメイクは、今夜の主役級。普段はナチュラルメイクが多い私ですが、パーティーという特別な場所だからこそ、少しだけ冒険してみることにしました。ゴールドのアイシャドウをアイホール全体に薄くのせ、その上からブラウンで陰影をつけていきます。
目尻に向かってグラデーションをつけながら、ふと考えます。今夜のパーティーでは、きっと新しい出会いがあるはず。普段は別部署で顔を合わせることのない同僚たちとの会話を、今から楽しみにしています。
アイラインは、いつもより少しだけ長めに。まつげはビューラーでしっかりとカールをつけて、ボリュームマスカラを2度塗り。目を開けるたびに、長くカールした睫毛が視界に入ってきて、それだけで気分が上がります。
チークは、スパークリングなピンク。頬に のせると、まるで期待で頬を染めているかのよう。ハイライトパウダーを頬の高い位置にそっとのせれば、パーティー会場の照明に映えるはず。
最後はリップ。今日のために選んだのは、つけたての艶が長時間続くリキッドルージュ。深みのあるローズピンクは、夜の照明の下でも上品に発色してくれるはず。唇の形を整えながら、今夜交わすであろう会話に、少しだけ緊張が走ります。
髪型も入念にチェック。カールアイロンで巻いた髪が、首元で優しく揺れています。耳元にはお気に入りのピアスを。さりげない煌めきが、メイクアップと相まって、特別感を演出してくれます。
全体のバランスを確認しながら、最後の仕上げとしてフィックスミストをシュッと噴きかけます。メイクが崩れにくくなるだけでなく、微細なパールが含まれているミストは、肌全体に繊細な輝きをプラスしてくれます。
鏡に映る自分の姿に、満足げな微笑みがこぼれます。いつもの私とは少し違う、でも自然体な仕上がり。このメイクなら、パーティーの間中自信を持っていられそうです。
時計を見ると、そろそろ出発の時間。最後にもう一度、全身を確認します。ドレスとメイク、そして小物たち。すべてが調和して、特別な夜にふさわしい装いになりました。
パーティー会場に向かう道すがら、街灯が輝き始めます。化粧ポーチには、念のためにリップとお直しパウダーを忍ばせました。どんな素敵な出会いが待っているのかしら。新しい友人ができるかもしれない。あるいは、運命の人と出会えるかもしれない。
そんな期待を胸に、ヒールの音を響かせながら歩を進めます。今夜という特別な時間のために、丁寧に仕込んだメイクが、私の背中を後押ししてくれているような気がします。
パーティー会場まであと少し。エレベーターに映る自分の姿を確認すると、メイクも崩れることなく完璧なまま。深呼吸をして、扉の向こうに広がる華やかな世界への期待感を噛みしめます。
今夜は、特別なメイクと共に過ごす、きっと忘れられない夜になるはず。そう確信しながら、パーティー会場のドアに手をかけました。キラキラと輝くシャンデリアの光が、私の化粧を優しく照らし出します。さあ、素敵な夜の始まりです。
役職名:上辻 敏之
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