今朝、目覚めたときから心が軽やかだった。理由は特にない。ただ、窓から差し込む光がいつもより優しく感じられて、今日は何か良いことが起こりそうな予感がした。こんな日は、自分を丁寧に扱いたくなる。だから私は、お気に入りのネイルコスメを取り出して、ゆっくりと指先を彩ることにした。
ネイルを塗るという行為は、私にとって単なる美容ではない。それは心を整える儀式であり、自分自身と向き合う静かな時間でもある。ボトルを振る音、ハケを取り出すときの小さな抵抗感、爪に色をのせるときの緊張と集中。そのすべてが、忙しい日常から私を切り離し、今この瞬間だけに意識を集中させてくれる。
今日選んだのは、淡いコーラルピンクのネイルポリッシュ。春の花びらのような柔らかな色合いが、見ているだけで心を和ませてくれる。ボトルを開けると、ほのかに甘い香りが広がった。最近のネイルコスメは本当に進化していて、発色も持ちも格段に良くなっている。それでいて爪への負担が少ないものが増えているのも嬉しい。
右手から塗り始める。利き手ではない左手で丁寧にハケを動かすのは、いつも少し難しい。でも、その不器用さすら愛おしく感じられる今日のような日もある。一本目の親指に色がのった瞬間、ワクワクとした気持ちが胸いっぱいに広がった。まるで白いキャンバスに最初の一筆を入れた画家のような高揚感。
二本目、三本目と塗り進めるうちに、呼吸が自然と深くなっていくのを感じる。焦らず、急がず、ただ目の前の指先に意識を向ける。この静かな心の状態こそが、ネイルを塗る時間が私にもたらしてくれる最大の贈り物かもしれない。現代社会は常に何かを要求してくる。効率、スピード、結果。でも、この時間だけは誰にも邪魔されない、完全に自分だけのものだ。
左手が終わり、右手に移る。利き手で塗るのは楽だけれど、左手が使えないもどかしさがある。でも、それもまた楽しい。乾くまでの時間、私は何もできない。スマートフォンも触れないし、本もめくれない。ただ座って、自分の指先を眺めながら、色が定着していくのを待つだけ。この強制的な「何もしない時間」が、実は心を深く休ませてくれる。
ネイルコスメとの出会いは、実は偶然だった。数年前、仕事で疲れ切っていた私は、たまたま立ち寄ったドラッグストアで、美しいボトルに目を奪われた。深い青色のネイルポリッシュ。夜空のような、海の底のような、吸い込まれそうな色。試しに買って帰り、その夜塗ってみたとき、不思議なことに心が落ち着いていくのを感じた。それ以来、ネイルは私の生活に欠かせないものになった。
色を選ぶ楽しみも格別だ。その日の気分、季節、着ていく服、会う人。さまざまな要素を考えながら色を選ぶプロセスは、自分の内面と対話する時間でもある。明るい色を選びたい日は、心が外に向かって開いているとき。落ち着いた色を選ぶ日は、静かに自分と向き合いたいとき。ネイルコスメは、言葉にならない心の声を可視化してくれる不思議な存在だ。
トップコートを塗り終えて、両手を眺める。光を受けてほんのり輝く指先。この小さな変化が、一日全体の気分を変えてくれる。指先が美しいと、タイピングするときも、コーヒーカップを持つときも、ドアを開けるときも、ふとした瞬間に嬉しくなる。それは誰かに見せるためではなく、自分自身のための喜びだ。
ネイルを通じて、新しい出会いもあった。同じようにネイルが好きな友人たちと、お気に入りのブランドやカラーについて語り合う時間。ネイルサロンで出会った、丁寧に施術してくれるネイリストさん。オンラインのコミュニティで知り合った、世界中のネイル愛好家たち。小さな趣味が、人と人とをつなぐ架け橋になることを、私は実感している。
そして何より、ネイルは私と私自身との出会いを深めてくれた。忙しさに流されそうになるとき、指先の色が「今ここにいる自分」を思い出させてくれる。疲れて自分を粗末に扱いそうになるとき、丁寧に塗られたネイルが「あなたは大切にされるべき存在だ」と囁いてくれる。
完全に乾いたネイルを見つめながら、今日も良い一日になりそうだと確信する。指先に咲いたコーラルピンクの花は、私の心に静けさと喜びをもたらしてくれた。ネイルコスメという小さな存在が、私の日常をこんなにも豊かにしてくれることに、改めて感謝の気持ちが湧いてくる。さあ、このワクワクする気持ちを胸に、今日という一日を思いきり楽しもう。指先の色が、私の背中を優しく押してくれている。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之


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