朝日が差し込む窓辺で、私は今日も丁寧にメイクブラシを走らせています。高校2年生になってから始めたナチュラルメイク。最初は不器用で、アイラインが左右対称にならなかったり、チークの色が濃すぎたり。でも、毎日の積み重ねで少しずつ上手くなっていく過程が、なんだか自分の成長と重なって見えるんです。
母が言っていました。「メイクは、自分を大切にする気持ちの表れよ」って。確かに、朝の15分間、鏡に向かって丁寧に自分と向き合う時間は、特別な意味を持っています。ベースメイクを整えながら、今日一日どんな自分でいたいかを考える。それは単なる化粧じゃなく、その日の私をデザインする大切な儀式なんです。
クラスメイトの美咲は、いつも完璧なグラデーションアイシャドウが得意。彼女に教えてもらったコツは、ブラシの持ち方を変えるだけで、こんなにも仕上がりが違うんだということ。放課後、カフェでメイクの話に花を咲かせる時間は、私たちの大切な日課になっています。
ナチュラルメイクの魅力は、あくまでも地味すぎない程度の仕上がり。つけまつげやカラコンに頼らなくても、ちょっとしたテクニックで目元を印象的にできる。眉毛を整えるだけで、表情がパッと明るくなる。そんな発見の連続が楽しくて仕方ありません。
特に気に入っているのは、薄いピンクのチーク。頬に軽くのせると、まるで少女漫画のヒロインのように、健康的で愛らしい表情になれる気がします。友達からは「最近、表情が明るくなったね」って言われます。それは、メイクのおかげなのか、それとも私自身が前向きになれているからなのか。きっと両方なんだと思います。
制服に合わせるメイクは、派手すぎず、でも個性は失わない。そんなバランスを見つけることも、私にとっては楽しい挑戦です。時には失敗することもある。でも、それも含めて、自分らしさを探す旅の一部。
最近では、スマートフォンのカメラで自撮りをして、その日のメイクを記録するようにしています。季節によって似合う色が変わったり、その日の体調で肌の調子が違ったり。そんな変化に気づけるようになったことも、メイクを始めて得られた気づきの一つです。
雨の日は、ファンデーションの持ちが悪くなるから、下地にこだわります。暑い日は、なるべくライトな仕上がりを心がける。そんな工夫も、毎日の楽しみになっています。化粧ポーチの中身は、まるで私の小さな宝箱。お気に入りのアイテムたちが、いつも私を支えてくれています。
メイクをしていると、不思議と心も整っていくような気がします。少しずつ上手くなっていく自分を感じられる。それは、勉強や部活と同じように、努力が実を結ぶ喜びがあります。
今日も鏡の中の私は、昨日より少しだけ輝いているような気がします。それは、メイクの力かもしれないし、私自身の成長かもしれない。でも、どちらでもいい。大切なのは、毎日の私が、少しずつでも自分の理想に近づいているということ。
化粧品の香りに包まれながら、今日も私は新しい一日の準備をします。ファンデーションでつくる透明感のある肌。ほんのりピンクの頬。自然な艶を帯びた唇。それらは全て、今日の私をつくる大切なピースなんです。
メイクは、私に自信をくれる。でも、それは見た目だけの問題じゃない。丁寧に自分と向き合う時間があるから、心も整えられる。そんな気付きを、高校生活で得られたことを、私は誇りに思います。
これからも、私はメイクという自己表現を大切にしていきたい。それは、ただ見た目を良くすることじゃなく、自分らしさを見つけ、磨いていく旅路。その過程で出会う様々な発見と感動を、大切な思い出として積み重ねていきたいと思います。
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