私は今日も鏡の前に座っています。制服に身を包んだ姿を映す鏡に映るのは、まだあどけなさの残る15歳の顔。でも、これからその表情が少しずつ変わっていくんです。そう、メイクの魔法によって。
最初は不安でした。中学生の頃は素顔で過ごしてきた私。でも高校に入学して、クラスメイトたちの華やかな姿を見ているうちに、私も少しずつ変わりたいと思うようになりました。ナチュラルメイクって難しそう…そんな不安を抱えながらも、まずは一歩を踏み出すことにしたんです。
朝の支度時間は30分。その中でメイクに使える時間はせいぜい10分程度。でも、それで十分なんです。私が目指すのは、「付けてます」感の全くないナチュラルメイク。まるで生まれつき肌が綺麗で、目が大きくて、唇がツヤツヤしているかのような、そんな仕上がりです。
最初に取り入れたのは化粧下地とBBクリーム。肌の気になる部分を自然にカバーしながら、透明感のある仕上がりを目指します。ポイントは、量を控えめにして薄く伸ばすこと。厚塗り感が出てしまうと、かえって年齢より上に見えてしまいますからね。
次は眉毛。太すぎず細すぎない、自然な眉毛の形を意識します。眉マスカラで色をつけるだけでも、表情が引き締まって見えるんです。私の場合は明るめのブラウンを選んで、優しい印象に仕上げています。
アイメイクは特にこだわっています。黒目を大きく見せるために、アイライナーは目尻だけにうっすらと。マスカラも下まつげには軽くつけるだけ。カラコンは着けません。それよりも、ちょっとだけ明るめのアイシャドウをのせて、目元を自然に明るく見せるのがポイントです。
チークは、ほんのりピンク色を頬の高い位置にのせます。笑顔を作って、その位置に優しくブラシを滑らせると、自然な血色感が出るんです。これだけで表情が明るくなって、周りからも「今日元気だね！」って言われることが増えました。
リップは、唇の色に近い明るめのピンクを選んでいます。グロスを重ねると派手になりすぎるので、保湿効果のある口紅だけにしています。これなら授業中に気にせず過ごせますし、お直しも簡単です。
このナチュラルメイク、実は意外と周りからの反応が良いんです。「化粧濃いね」なんて言われることは一度もありません。代わりに「最近、表情が明るくなったね」「肌がキレイになった？」といった温かい言葉をもらえるようになりました。
特に嬉しかったのは、母からの反応です。最初は「まだ早いんじゃない？」と心配していた母も、私の自然な仕上がりを見て安心してくれました。今では一緒にコスメショップに行って、新作を試したり、お互いのメイクについて話し合ったりする、そんな素敵な時間も増えました。
メイクを始めて、私の中で変わったことがあります。それは、鏡を見るのが楽しみになったこと。朝の支度時間が、単なる準備ではなく、自分と向き合う大切な時間に変わりました。
ナチュラルメイクは、私に自信をくれました。でも、それは見た目だけの変化じゃないんです。メイクをすることで、自分をより大切にしようという気持ちが芽生えました。身だしなみを整えることの大切さ、自分らしさを表現することの楽しさ、そして何より、毎日を笑顔で過ごすことの素晴らしさを学んだんです。
今では、スキンケアにも気を配るようになりました。メイクをするからこそ、素肌を大切にしたい。そんな気持ちが自然と湧いてきて、クレンジングや洗顔、保湿など、基礎的なお手入れも欠かさずするようになりました。
学校生活も、より充実したものになっています。授業中も集中力が増したような気がします。それは多分、朝からしっかりと準備をして、気持ちの良いスタートが切れているからかもしれません。
部活動でも変化がありました。バレーボール部に所属している私は、汗をかいてメイクが落ちることを心配していましたが、そんな心配も無用でした。ナチュラルメイクだからこそ、多少崩れても気にならないんです。むしろ、練習後の清々しい表情に、自然なメイクが馴染んで、それはそれで素敵だなと感じています。
友達との関係も、より深まった気がします。メイクの話題をきっかけに会話が広がり、休み時間にはお互いのポーチの中身を見せ合ったり、新作コスメの情報を交換したり。そんな何気ない会話の中で、メイク以外の悩みも打ち明けられるような、そんな関係性が築けています。
これから先も、きっとメイクの仕方は少しずつ変わっていくでしょう。でも、「自然体で居られる自分」を大切にする気持ちは変わりません。ナチュラルメイクは、そんな私の気持ちを表現する、とても素敵な手段なんです。
今日も鏡の前で、いつもの準備を始めます。ほんのりピンク色のチークをのせて、明るい笑顔を作ります。このメイクと共に、また新しい一日が始まっていくんです。化粧をするのは、もはや日課以上の特別な時間。それは、私らしさを見つけ、育んでいく、かけがえのない瞬間なのです。
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