私、今日も鏡の前に座っています。制服に身を包んだ姿を映す鏡には、まだあどけなさの残る16歳の顔。でも、これから始まる魔法の時間に、胸が高鳴るんです。
メイクって、本当に不思議な力を持っています。私がメイクと出会ったのは、高校に入学したばかりの春のこと。クラスの友達が、さりげなく可愛らしいメイクをしているのを見て、「私もやってみたい!」という気持ちが芽生えました。
最初は本当に手探り状態でした。YouTubeでメイク動画を見たり、美容雑誌を読んだり。でも、一番参考になったのは、放課後にクラスの女子たちと交わすメイク談義。みんなそれぞれの悩みや工夫を持っていて、その会話から学ぶことがたくさんありました。
ナチュラルメイクの基本は、自分の良いところを引き立てること。派手なメイクではなく、「素顔よりちょっといい私」を目指すんです。まず始めるのは、肌作り。私の場合、朝の支度時間は20分。その中で一番時間をかけるのが、このベースメイクです。
化粧下地を塗る時は、優しく肌をマッサージするように。血行が良くなって、肌に自然な血色が出てきます。その後のファンデーションは、薄く均一に。スポンジで叩き込むように塗ると、ナチュラルな仕上がりになります。
私が特にこだわっているのは、眉毛。整えすぎない自然な眉が、顔全体の印象を左右するんです。眉毛は顔の骨格を作る大切なパーツ。眉マスカラで色をつけ、眉パウダーで自然な立体感を出します。
アイメイクは、ブラウン系のアイシャドウを使って、優しい印象に。目尻に少しだけダークカラーを入れると、目が大きく見えるんです。マスカラは上まつげだけにして、下まつげはナチュラルなままに。これが、高校生らしい爽やかさを保つコツです。
チークは、笑顔の時にリンゴが浮かぶ位置にポンポンとのせます。ピンク系の色を選んで、血色の良い健康的な印象に。リップは、唇の色に近い明るめのピンクやコーラル系を選びます。グロスを重ねると、みずみずしい表情になれますよ。
メイクをしていると、不思議と心も明るくなってきます。鏡を見る度に、「今日の私、いい感じ!」って思えるんです。それは単に見た目の問題じゃなくて、自分に自信が持てるようになるから。
学校では、派手なメイクは禁止されています。でも、それはむしろ良いことかもしれません。ナチュラルメイクは、自分の個性を活かしながら、清潔感のある印象を作れるから。先生にも怒られず、でも少しだけ特別な私になれる。それが高校生のメイクの醍醐味かもしれません。
友達との関係も、メイクをきっかけに深まりました。休み時間に新作コスメの話で盛り上がったり、互いのメイクの良いところを褒め合ったり。時には失敗談で笑い合ったり。そんな何気ない会話が、毎日を楽しくしてくれます。
最近は、母とメイク談義をすることも。最初は心配そうだった母も、私の様子を見て「メイクって、自分を大切にすることなのね」と言ってくれました。確かに、毎朝丁寧にメイクをする時間は、自分と向き合う大切な時間。その過程で、自分をもっと好きになれる気がします。
季節が変わるごとに、メイクも少しずつ変化させています。夏は汗で崩れにくいようにベースメイクを工夫したり、冬は乾燥対策をしっかりしたり。そうやって試行錯誤を重ねることで、徐々に自分に合うメイクが見つかってきました。
メイクは決して魔法使いのような劇的な変身術ではありません。でも、少しずつ重ねていく努力が、確実に私を成長させてくれています。鏡の中の私は、日に日に自信に満ちた表情になっていく。それは、メイクという小さな積み重ねが作り出す、確かな変化なんです。
そして何より、メイクをしている時の私は幸せです。明るい表情で一日を始められる。それは、高校生活の素敵な思い出として、きっと心に残っていくはず。
今日も私は鏡の前で、笑顔の練習をしています。ナチュラルメイクで作る「いつもの私」は、実は特別な私。そんな気持ちを胸に、また新しい一日が始まっていきます。メイクの力を借りて、でも、それは確実に私自身の力になっているんです。
これからも、もっともっと素敵な私に出会えることを楽しみにしながら、メイクという小さな冒険を続けていきたいと思います。それは、きっと将来の私への大切な贈り物になるはずだから。
役職名:上辻 敏之
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