暖かな春の日差しが降り注ぐ週末の午後、私たち3人は待ち合わせ場所の中央公園に集まりました。メイクアップアーティストとして活躍する美咲、美容部員として働く香織、そして私。久しぶりの再会に、それぞれが持ち寄った新作コスメを見せ合いながら、芝生の上でピクニックを楽しむことにしました。
「ねぇ、見て見て!この春の新作リップ、本当に可愛いの!」と美咲が取り出したのは、淡いピンク色のリップスティック。太陽の光に透かすと、微細なパールが優しく輝きます。「これ、つけ心地も軽いんだけど、発色がすごくいいの。しかも保湿効果もバッチリなの!」
私たちは芝生の上にレジャーシートを広げ、持ち寄ったコスメたちを並べていきました。春の陽気に誘われて、公園には家族連れや恋人たちが多く、子どもたちが元気に遊ぶ声が心地よく響いています。
「あ、私もね、この前デパートで見つけた新作ファンデーションがすごくいいの!」と香織が話し始めます。「軽いのに、毛穴までカバーできて、しかも汗をかいても崩れにくいの。これから暑くなる季節にピッタリだと思って」
私たちは次々と、お気に入りのコスメについて語り合います。メイクアップアーティストの美咲は、プロならではの視点で商品の特徴を解説してくれます。「このアイシャドウパレット、色の組み合わせが絶妙なの。これ一つあれば、デイリーメイクからパーティーメイクまでカバーできるわ」
近くで遊んでいた子どもたちのボールが転がってきて、私たちの方へ。「ごめんなさーい!」と駆け寄ってきた女の子の頬が、運動で火照って可愛らしいピンク色に染まっています。「あんな風な血色感、メイクでも出せたらいいよね」と美咲が言うと、みんなで頷きました。
春風が心地よく吹く中、私たちは持参したサンドイッチやフルーツを頬張りながら、メイク談義は尽きません。「そういえば、最近韓国コスメがすごく進化してるって聞くけど」と私が話を振ると、美咲が「うん!特にクッションファンデーションの質感がすごくナチュラルで、日本人の肌にも合うものが多いのよ」と教えてくれました。
公園の木々の間から差し込む陽光が、私たちの顔を優しく照らします。「あ、このハイライト、自然光の下できれいに映えるわ」と香織が言いながら、手の甲にスウォッチを作ります。確かに、光に当たる角度によって上品な輝きを放っています。
時には近くを散歩している人々が、私たちの賑やかな様子に興味深そうな視線を送ってきます。きっと、これだけのコスメを広げている光景は珍しいのでしょう。でも、私たちにとってはこれが至福の時間。それぞれの立場から見つけた新しいコスメの情報を共有し合い、実際に試してみる。そんな贅沢な時間を過ごせることに、心から感謝しています。
「そうそう、この前のブライダルメイクで使ったマスカラがすごく良かったの」と美咲が話し始めると、私たちの興味は一気に高まります。「まつ毛が綺麗に伸びるだけじゃなくて、パンダ目になりにくいの。花嫁さんにもすごく好評だったわ」
香織も「私も店頭でお客様にオススメしているんだけど、このクレンジングオイル、メイクをしっかり落としてくれるのに、肌に優しいの。敏感肌の方にも安心して使っていただけるのよ」と、実際の販売現場での経験を交えて話してくれます。
公園の木々の間を吹き抜ける風が、私たちの髪を優しく揺らします。「あ、このヘアミストいいわよ。紫外線カット効果もあるし、髪のツヤも出るの」と香織が取り出したボトルをみんなで試してみます。春の陽射しで温められた髪に、ほんのり甘い香りが広がります。
遠くでは子どもたちが鬼ごっこを楽しんでいます。その元気な姿を見ながら、美咲が「メイクって、その人の個性を引き出すものだと思うの。今日みたいに、自然光の中でナチュラルに映えるメイクができたら素敵よね」としみじみ話します。
私たちは、それぞれのバッグから次々と新しいコスメを取り出しては、試したり、感想を述べ合ったり。時には失敗談で笑い合ったり、「これ私も持ってる!」と共通点を見つけて盛り上がったり。メイクアップアイテムを通じて、私たちの会話は尽きることを知りません。
太陽が西に傾き始め、少しずつ公園内の人の数も減ってきました。「今日は本当に楽しかった」と香織が言います。「こうやって実際に商品を見て、触って、みんなで意見交換できるのって、とても貴重な機会よね」
私たちは使ったコスメたちを丁寧にバッグにしまいながら、次回の約束をしました。「今度は夏のベースメイクについて語り合いましょう!」と美咲が提案します。きっとまた、この公園で素敵な時間を過ごせることでしょう。
帰り際、夕暮れの公園を見渡しながら、私は思いました。メイクアップアイテムは、単なる化粧品ではありません。それは私たちに自信を与え、表情を明るくし、そして何より、こうして友人たちと楽しい時間を共有するきっかけを作ってくれる、素敵なコミュニケーションツールなのだと。
春の陽が沈みゆく公園を後にしながら、私たちは次回の再会を約束して別れました。バッグの中には新しく試したコスメたちと、かけがえのない思い出が詰まっています。明日からまた、新しいメイクで新しい自分に出会えることを、心から楽しみにしながら。
役職名:上辻 敏之


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