今日も穏やかな朝が始まります。窓から差し込む柔らかな光に包まれながら、私は大好きなネイルタイムを楽しんでいます。最近購入したパステルピンクのネイルポリッシュを、丁寧に爪に重ねていく瞬間は、まるで小さな幸せの積み重ねのよう。
実は以前の私は、毎日があわただしく過ぎていくばかりでした。仕事に追われ、人間関係に悩み、自分と向き合う時間すら持てないような日々。そんな中で出会ったのが、セルフネイルという素敵な趣味でした。
最初は単なる見た目の変化を求めていただけでした。でも、爪に優しく色を重ねていく作業には、不思議と心を落ち着かせる力があったのです。集中して筆を動かす時間は、まるで瞑想のよう。日常のストレスや悩みが、まるで溶けていくような感覚を覚えました。
ベースコートを塗り、カラーを重ね、トップコートで仕上げる。この一連の作業には約30分ほどかかります。でも、この30分こそが、私にとってかけがえのない自分時間となっていました。スマートフォンの通知も切り、音楽だけを流しながら、静かに自分と向き合う贅沢な時間。
特に心が乱れているときは、あえてシンプルなワンカラーを選びます。透明感のあるベージュや、優しいピンク。そんな落ち着いた色を眺めているだけで、心までクリアになっていくような気がするのです。
ネイルを通じて、思いがけない出会いも生まれました。SNSに投稿した私のネイルデザインがきっかけで、同じ趣味を持つ友人ができたのです。休日にはネイルカフェで待ち合わせをして、お互いのネイルテクニックを教え合ったり、新作コスメの情報を交換したり。こんな素敵な縁が生まれるとは、思ってもみませんでした。
ネイルケアも大切な儀式です。キューティクルオイルを丁寧に塗り込み、ハンドクリームでマッサージする。自分の手を大切にケアすることは、自分自身を大切にすることにつながっているような気がします。
季節によって選ぶ色も変わります。春はさくらのようなソフトピンク、夏は透明感のあるブルー、秋は深みのあるボルドー、冬は上品なパール調。その時々の気分や季節を指先で表現できることも、ネイルの魅力のひとつです。
最近では、ネイルを施す時間が私にとって大切な自己肯定感を育む機会となっています。完成したネイルを見るたびに、小さな達成感が得られる。それは日々の生活に彩りを添え、自信にもつながっています。
忙しい毎日の中で、「静かな心」を保つことは決して簡単ではありません。でも、このネイルタイムという小さな習慣が、私の心の安定剤となっているのです。爪先を見つめ、丁寧に色を重ねていく。その過程で、自然と呼吸が整い、思考が整理されていきます。
時には失敗することもあります。でも、それすら愛おしく感じられるようになりました。完璧を求めすぎず、その時々の自分の気持ちに正直に向き合う。そんな余裕が少しずつ育っていったように思います。
ネイルを通じて気づいたのは、自分と向き合う時間の大切さです。たった30分でも、意識的に作り出す静寂の時間は、心の浄化につながります。そして、その穏やかな気持ちは、周りの人々との関係性にも良い影響を与えてくれるのです。
新しいネイルポリッシュを購入するときも、じっくりと色を選ぶようになりました。その日の気分、これから参加する予定のイベント、着用する服装。様々な要素を考慮しながら、自分にぴったりの色を探す。それ自体が楽しみとなっています。
また、ネイルを褒められることで生まれる会話も、素敵な出会いのきっかけとなっています。同じ職場の人や、電車で隣り合わせた方と、ネイルの話題で盛り上がることも。些細な会話から始まる縁の不思議さを、度々感じています。
今では週末のネイルタイムが、私の生活の中で欠かせないものとなっています。アロマキャンドルの灯りをともし、お気に入りの音楽を流しながら、静かにネイルと向き合う時間。それは単なる美容習慣を超えて、心のメンテナンスの時間となっているのです。
そして何より、このネイルという趣味を通じて、自分自身との大切な出会いがありました。忙しさに流されがちだった日々の中で、立ち止まって自分と向き合う勇気。それを教えてくれたのは、この小さな趣味だったのかもしれません。
これからも、私はこの大切な時間を大切にしていきたいと思います。爪先に色を重ねながら、心も美しく磨いていく。そんな贅沢な時間を、これからも大切に育んでいきたいと思います。
そうして完成した今日のネイル。淡いピンクの上に、小さなラメをのせた春らしいデザイン。窓から差し込む陽の光に輝く指先を見つめながら、静かな幸せを感じている私がいます。
組織名：株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名：上辻 敏之
コメント