今夜のパーティーまであと3時間。私は百貨店のコスメフロアで、5本目の香水ボトルを手に取っていた。
友達の誕生日会なんだけど、久しぶりに会う人も多くて、なんとなく「ちゃんとした自分」を演出したくなってしまって。普段は適当にドラッグストアで買ったボディミストで済ませるタイプなのに、こういう時だけ急に意識高くなる自分が少し恥ずかしい。でもまあ、香りって第一印象を左右するっていうし…と自分に言い訳しながら、試香紙をひらひらさせている。
美容部員さんが勧めてくれたのは、フローラル系のやさしい香りだった。トップノートにベルガモットとグリーンティー、ミドルにジャスミン、ラストはムスクで落ち着く。説明を聞いてもよくわからないけど、手首につけてもらったら確かにいい匂いがする。「これ、レストランとかパーティーシーンにぴったりですよ」って言われて、ああそういうTPOってあるんだなと今更気づく。高校生の頃、体育の後に廊下でバニラ系の甘ったるい香水をシュッシュしまくってた自分を思い出して、ちょっと顔が熱くなった。
実は去年、別の友達の結婚式二次会で失敗してるんだよね。その日つけていったのが、妹からもらった「ラ・ヴィオレット」っていうブランドの香水で。自分では気に入ってたんだけど、会場が狭めの個室居酒屋で、しかも鍋料理だったから、香りと湯気が混ざって大変なことになった。隣に座ってた子に「ちょっと…香り強くない?」って小声で言われて、トイレで必死に水で洗い流したっけ。あの時の惨めさったらなかった。
だから今回は慎重になりたい。会場はイタリアンレストランの個室らしいから、料理の邪魔にならない程度の、でも存在感はある香りがいい。美容部員さんに「食事の席でも大丈夫な香りってどれですか」って聞いたら、少し考えて「柑橘系ベースか、石鹸系がいいと思います」って教えてくれた。
試香紙が10枚くらい溜まってきた頃には、正直どれがどれだかわからなくなってきて。鼻の奥がツンとして、全部同じような匂いに感じ始める。これ、コーヒー豆を嗅いでリセットするやつやった方がいいのかな。でもそんなの置いてないし、とりあえず一回外の空気吸いに行こうかと思ったけど、時間もないし。
結局選んだのは、最初に試した柑橘系とラストに試したフローラル系の中間みたいなやつ。名前も覚えてないけど、パッケージがシンプルで持ち運びしやすそうだったのも決め手だった。実用性、大事。
家に帰って、シャワー浴びてから改めてつけてみる。さっき店で感じた印象とちょっと違う気がするのは、照明のせいなのか、それとも自分の体温と混ざったからなのか。耳の後ろと手首、あと軽く髪にも。つけすぎると去年の二の舞だから、本当に控えめに。
鏡の前で服を合わせながら、ふと思う。こんなに香りひとつで悩んでる自分って、いつからこうなったんだろう。昔はもっと適当だったのに。大人になるって、こういう細かいことを気にするようになることなのかもしれない。
時計を見たら、もう出発しないとやばい時間。
結局この香り、パーティーでどう思われるかなんてわからないけど、まあいいか。自分が気に入ってればそれでいいんだし。財布とスマホを鞄に入れて、玄関のドアを開ける。夜風が冷たくて、つけたばかりの香りが少しだけ広がった気がした。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之

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