目が覚めたとき、カーテンの隙間から五月の朝の光がすっと差し込んでいた。平日とは違う、やわらかくてぬるい空気。今日は休日だ、と気づいた瞬間、なんとなく体の力が抜けていく感じがした。
急がなくていい。どこかへ行く予定もない。ただ、自分のためだけに過ごしていい一日。
洗面台の前に立って、いつもより丁寧に顔を洗った。手のひらに泡を作って、くるくると頬に乗せるとき、ひんやりした水の感触が気持ちよくて、少しだけ目が覚めた気がした。タオルで顔を押さえながら、鏡の中の自分をじっと見る。すっぴんの顔。悪くない、と思った。
化粧水をたっぷり含ませたコットンを頬に当てると、ひやりとした水分がじわりと広がる。このひとときが、なんとなく好きだ。スキンケアをしながら、今日はどんなメイクをしようかと考える。
2026年のトレンドは「作り込みすぎない」こと。素肌感ベースに、どこかひとつだけ主役を作るバランス感覚が今らしい。
そのことを思い出して、今日こそそれを試してみようと決めた。
ドレッサーの引き出しを開けると、先月買ったまましまいこんでいたリキッドファンデーションが出てきた。ブランド名は「エルーヴ ボタニカ」という、小さなオーガニックコスメのブランドで、友人に勧められて試しに買ったものだ。植物由来の成分が主体で、つけていることを忘れるような薄さが売りらしい。指先にほんの少し取って、頬の中心からやさしく伸ばしていく。鏡を見ると、肌がほんのりと整って見えた。確かに、素肌みたいだ。
チークは迷わずコーラルベージュを選んだ。
大きめのブラシでふんわりとのせて、一見チークをつけていないかのような自然な血色感が理想的。
そう意識しながら、ブラシを頬骨のあたりにくるりと当てる。窓の外から、どこかの家の庭木をゆらす風の音が聞こえた。静かな朝だった。
リップは少し悩んだ。
2026年の春は、ピンクやローズ、コーラルなど今年らしい色味をまといつつ自然に決まるリップがおすすめ。
引き出しの中を眺めて、コーラルピンクのグロスを選んだ。指先でぽんぽんと唇に乗せる。ツヤが出て、口元がふっと明るくなった気がした。
眉は、あえて整えすぎないようにした。毛流れに沿ってブラシで軽くとかすだけ。完璧にしなくていい。今日は休日だから。
メイクを終えて、キッチンへ移動した。コーヒーを淹れながら、ふと窓の外を見ると、隣の家の猫が塀の上でうとうとしていた。あの猫はいつもそこにいる。ちょうど朝の光が背中に当たっていて、毛がオレンジ色に輝いていた。なんとなくリラックスしているように見えて、こちらまで肩の力が抜けた。
コーヒーカップを両手で包むように持って、ソファに座る。温かさが手のひらからじんわりと伝わってくる。湯気がふわりと立ち上り、豆の香りが部屋に広がる。こういう時間が、本当に好きだ。
ふと、子どもの頃のことを思い出した。母の化粧台の前に座って、口紅をこっそり指に取って、唇に塗ろうとしたこと。うまく塗れなくて、口の周りが真っ赤になってしまい、母に見つかって笑われた。あのとき初めて、コスメというものに憧れた気がする。
2026年のメイクトレンドは、作り込まずナチュラルで勝負するという時代の流れから生まれている。ウェルネス美容で肌そのものを大切にする意識が広がっている。
それはきっと、自分を飾ることより、自分を大切にすることへの回帰なのかもしれない。
休日のメイクは、誰かに見せるためじゃない。鏡の中の自分が、少しだけ好きになれればそれでいい。今日みたいな、静かで光のやわらかい朝に、自分のためだけにコスメを開く。そのリラックスした時間そのものが、いちばんのスキンケアなのかもしれないと、カップを傾けながら思った。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之

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