七月の午後二時すぎ、公園のベンチに腰を下ろしたとき、まず感じるのは背中に差し込む太陽の重さだ。じりじりと肌を押してくるような、あの独特の熱さ。風が吹けば少しだけ救われるけれど、それもほんの一瞬で、またすぐに空気が張りつく。友人のミホが「暑すぎる」と言いながら、保冷バッグからペットボトルを取り出してわたしに差し出した。その手がひんやりとしていて、思わず頬に当ててしまった。
こういう日に公園で遊ぶとき、コスメ選びは本当に大事だと思う。去年の夏、日焼け止めを塗り忘れたまま友人たちと芝生の上でバドミントンをした結果、翌日に鼻の頭だけ真っ赤に焼けてしまったことがある。あれは笑えない失敗だった。いや、友人たちにはかなり笑われたけれど。
今年は違う。出かける前に、ドラッグストアで見つけた「ソレイユミスト UV」という日焼け止めミストをバッグに忍ばせてきた。架空のブランド名ではなく、ちゃんと実在する感触——ミストタイプで顔にシュッとひと吹きするだけで、うっすらとした膜が張られる感覚がある。香りはほのかなホワイトフローラル系で、塗るたびに少しだけ気分が上がる。
太陽の下でメイクが崩れる心配をしながら遊ぶのは、どうにも落ち着かない。だから最近はベースを薄くして、チークだけ少し強めに入れるようにしている。
2026年のベースメイクは素肌の質感を活かす薄づき仕上げが主流で、リップやチークなど一箇所だけを強調するスタイル
が今っぽいと知ってから、むしろ公園メイクのほうがトレンドに近いかもしれないと気づいた。
芝生の上では、ユキとサクラが先にフリスビーを始めていた。木陰から見ていると、二人の影が短くなっていて、太陽がほぼ真上にある時間帯だとわかる。光が強くて、緑の葉っぱが白く飛んで見えるくらいだ。草の匂いと、どこかから漂ってくる日焼け止めの甘い香りが混じり合っている。
わたしも輪に加わって、しばらく遊ぶ。汗が出てくるけれど、今年はウォータープルーフのアイライナーを使っているので目元が滲む心配がない。
汗でメイク落ちが気になるスポーツやアウトドアにも対応できる崩れにくいコスメ
を選ぶようになってから、外遊びが純粋に楽しくなった気がする。メイクのことを気にしながら遊ぶのと、気にせず遊べるのとでは、体の動き方がまるで違う。
一時間ほど遊んで、また四人でベンチに戻った。ミホがバッグからタオルを出して、額の汗を拭きながら「なんか今日のメイク、全然崩れてないね」と言った。褒めてもらったのが素直に嬉しくて、ちょっと照れた。チークが汗で流れていないか内心ひやひやしていたのは、内緒だ。
子どものころ、この公園によく来ていた。砂場で山を作って、誰かに踏まれて、また作って、という繰り返しをずっとやっていた記憶がある。あのころはコスメなんてまったく関係なかったけれど、太陽の感触だけは変わっていない。肌に当たる光の重さ、目を細めたときに広がる光の粒、風が来るたびに揺れる木の音——全部、あのころと同じだ。
遊ぶという行為は、年齢を問わず人を少し素直にさせる。友人たちと笑って、汗をかいて、日焼け止めを塗り直して、また走る。そういう午後が、夏にはある。公園と太陽と、ちゃんと選んだコスメがあれば、それで十分だと思う。
夕方近くになると、太陽が少し西に傾いて、光の色がオレンジがかってくる。芝生の影が長くなって、風がひんやりとしてくる。サクラが「そろそろ帰ろうか」と言った。わたしはもう少しだけ、この光の中にいたかった。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之

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