待ち合わせの時間より十五分早く着いてしまって、わたしはひとりでベンチに座っていた。四月の終わり、午後一時ごろの日差しはすでに夏の予感を帯びていて、肌にじりっと落ちてくる。公園の入り口近くにある大きなケヤキが、風に揺れるたびにさわさわと音を立てていた。葉の隙間から差し込む太陽の光が、地面にまだらな模様を描いている。その模様がゆっくりと動くのを、なんとなく目で追っていた。
友人たちが来たのは、それから二十分後のことだ。三人まとめて、笑いながら走ってきた。「ごめんごめん、電車乗り間違えた」と言いながら、みかこが缶のクラフトコーラを差し出してくれた。「はい、お詫びの品」。冷えた缶の表面に水滴がついていて、受け取った瞬間、手のひらに伝わるひんやりした感触がなんとも気持ちよかった。缶を開けると、甘くてスパイシーな香りがふわっと広がった。それだけで、もうこの日が好きになった。
この公園に来るのは、子どものころ以来かもしれない。小学生のとき、父に連れられてよく来た場所で、当時はあの滑り台が世界で一番高いものだと思っていた。いまはそれほど大きくも見えないのに、あのころの自分には途方もない高さに感じられたのだから、子どもというのは不思議だ。
わたしたちは芝生のひらけた場所にレジャーシートを広げて、バドミントンをしたり、フリスビーを投げたり、結局ほとんど転んだりしながら遊んだ。太陽はまだ高くて、容赦なく降り注いでいた。そのたびに日焼け止めを塗り直したり、帽子を深くかぶり直したりしながら、それでも笑いながら遊んでいた。こういう日は、疲れることさえ楽しい。
途中、はるかがリュックから小さなポーチを取り出して、「これ使ってみて」と渡してくれた。「ソレイユブルーム」というブランドのティンテッドリップバームで、屋外でも落ちにくいと話題になっているものだった。塗ってみると、唇にじんわりとなじむ感じがあって、香りはほんのりとしたベリー系。公園の風に乗って、その香りがふわっと鼻をかすめた。コスメをこんなふうに、遊びの合間に分け合うのが好きだ。日常の延長みたいで、でもどこか特別な時間になる。
ひとしきり遊んで、芝生に寝転んだ。空は青く、雲が少しだけ流れていた。となりでみかこがうとうとしはじめて、ゆっくりと目を閉じていくのが見えた。さっきまであんなにはしゃいでいたのに、とおかしくなった。でも、気持ちはわかる。太陽の温度と、草の匂いと、遠くで子どもたちが遊ぶ声と。全部が合わさって、眠くなるのは当然だ。
わたしは目を閉じずに、ただ空を見ていた。公園で遊ぶというのは、子どものころも今も、本質的には変わっていないのかもしれない。ただそこにいて、体を動かして、笑って、たまに転んで。それだけのことが、なぜこんなに満たされた気持ちにさせるのだろう。
夕方近くになって、空の色が少しずつ変わりはじめた。青からオレンジへ、ゆっくりと。誰かが「そろそろ行こうか」と言い出すまで、わたしたちはそこにいた。帰り道、手のひらにまだあのクラフトコーラの缶の冷たさが残っているような気がした。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之

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