目が覚めたとき、カーテンの隙間から光が細く差し込んでいた。平日とは違う、どこかゆるんだ空気。時計を見ると九時を少し過ぎていて、それだけで少しだけ息が深くなった気がした。今日は休日だ。どこかへ急ぐ必要も、誰かに会わせる顔を整える必要もない。
キッチンでお湯を沸かしながら、ふと鏡の前に立った。素顔のまま、少しむくんだ顔。それでも不思議と嫌いじゃない。休日の朝の顔は、正直で、やわらかい。
コーヒーを淹れて、ドレッサーの前に腰を下ろした。使うコスメをゆっくり並べていく。いつもと違うのは、今日選ぶものが「誰かに見せるため」ではないということ。自分の肌のために、自分が心地よいと感じるものだけを手に取る。そういう時間が、休日にしか存在しない。
最近気に入っているのは、「フォレスタニュアンス」というブランドのリキッドファンデーション。天然由来の成分を使っていて、肌に乗せた瞬間のひんやりとした感触が好きだ。重ねすぎると崩れやすいのが難点だけれど、薄く伸ばしたときの自然な仕上がりは、他のものでは出せない。肌が呼吸しているような、そんな感覚がある。
洗面台で顔を洗い、化粧水をなじませていると、窓の外から鳥の声が聞こえた。何の鳥かはわからない。ただ、その声がやけに近くて、少しだけ驚いた。ベランダに出てみたけれど、もういなかった。そういう小さな出来事が、休日の朝には不思議とよく似合う。
スキンケアを終えて、また鏡の前に戻る。今日のメイクは、できるだけ引き算で仕上げたい。子どものころ、母が薄化粧で台所に立っていた姿を思い出す。口紅だけつけて、あとはほとんど素顔に近かった。それがなぜかとても綺麗に見えた。あの感じに近づきたい、とずっと思っている。
日焼け止めを薄く塗り、ファンデーションを指でなじませる。スポンジよりも指の温度で伸ばすほうが、肌になめらかに溶け込む気がする。チークは淡いテラコッタ。ブラシで軽く払うように乗せると、ちょうどいい血色感が出た。眉は、今日はほとんど描かない。もともとの形を少し整えるだけ。
リップは迷った。ベージュにしようか、それとも少し赤みのあるローズにしようか。コーヒーカップを持ちながらしばらく考えて、結局ローズを選んだ——そのとき、うっかりカップを傾けすぎてテーブルにコーヒーが一滴落ちた。鏡の中の自分と目が合って、なんとなく笑ってしまった。リラックスしすぎたかもしれない。
仕上げに、アロマオイルを少しだけ手首に垂らした。サンダルウッドとベルガモットが混ざった香りで、深呼吸すると体の中心がすっと落ち着く。香りは記憶と結びついていて、この匂いをかぐと、いつかの秋の午後を思い出す。場所はうまく思い出せないけれど、光がやわらかくて、少し風があった日のことだ。
自然派のコスメを使うようになったのは、肌荒れがきっかけだった。成分表を読むようになって、知らないカタカナが並んでいるものを少しずつ遠ざけていった。最初は選ぶのが大変だったけれど、今は自分なりの基準ができてきた。香料不使用、なるべく短い成分リスト、そして使った後に肌が突っ張らないこと。シンプルだけど、それで十分だと思っている。
メイクを終えて、もう一度鏡を見た。派手ではない。でも、なんとなく自分らしい顔がそこにあった。誰かに褒めてもらうためじゃなく、自分が「今日はこれでいい」と思える顔。それが、休日のコスメ時間の一番の目的かもしれない。
窓の外の光は、少し角度が変わっていた。朝がゆっくり進んでいる。今日は特に予定もないから、このままどこかに散歩に行こうかと思った。薄化粧のまま、風に当たりながら歩く。それだけで十分な一日になりそうだった。
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組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之

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