五月の中頃、空気がまだ少しだけ柔らかくて、でも太陽はもう夏の顔をしはじめていた。そんな午後に、友人たちと近所の「カナリア公園」に出かけた。特別な理由があったわけじゃない。ただ、誰かが「外に出たい」と言って、それに全員が頷いた、それだけのことだ。
芝生の上にレジャーシートを広げて、持ってきたサンドイッチを食べながら、しばらくはなんの話もしなかった。木漏れ日がシートの上に落ちて、風が吹くたびに光の形が変わる。遠くで子どもたちが走り回っている声がして、どこからかグリルの香りが漂ってくる。そういう感覚が、全部いっぺんに体に入ってくる瞬間が好きだ。
友人のひとりが、バッグの中からコスメポーチを取り出した。「日焼け止め塗り直すね」と言いながら、小さなチューブを丁寧に開ける仕草が、なんとなく印象に残った。ブランド名を見たら「ソレイユ・ドゥ」という聞いたことのないコスメブランドで、「太陽の、っていう意味らしいよ」と彼女が笑った。太陽の下で太陽の名前のコスメを塗るのは、なんだか出来すぎていて少し可笑しかった。
公園で遊ぶというのは、大人になるとどこか照れくさい。でも実際にやってみると、思っていたより全然楽しい。バドミントンのラケットを借りてきた友人が「やろう」と言い出して、最初は「えーっ」なんて言っていたのに、気がつけば全員で夢中になっていた。シャトルが風に流されるたびに笑い声が上がって、誰かが転びそうになって、また笑う。
ちなみに私はというと、一番最初のサーブでシャトルをラケットの柄の部分で打ってしまい、変な方向に飛ばして木の枝に引っかけた。誰も何も言わなかったけど、全員が一瞬だけ静止したあの空気は、今でも鮮明に覚えている。
子どもの頃、近所の公園でよく遊んでいた。当時は砂場が好きで、毎日のように山を作っては崩していた。その砂の感触、手のひらに残るざらざらとした重さが、今でもなんとなく指の記憶にある気がする。大人になってからはすっかり公園から遠ざかっていたけれど、あの日の芝生の上で寝転んだとき、体の奥のどこかがほぐれるような感覚があった。地面の固さと、草の匂いと、空の広さ。それが全部、懐かしかった。
日が傾きはじめると、光の色がゆっくりと変わっていった。白かった太陽が、少しずつ金色に近づいていく。友人のひとりがうとうとしはじめて、シートの上で静かに目を閉じていた。起こすのも悪いから、みんな自然に声を小さくして、それでも話し続けた。そういう時間の流れ方が、とても心地よかった。
コスメの話に戻ると、その日の帰り道に「ソレイユ・ドゥ」のことをスマホで調べてみた。小さなブランドで、日焼け止めと化粧水の二種類しか出していない。でもレビューがどれも温かくて、「外に出たくなる香り」という言葉がいくつも並んでいた。それを読んで、なんとなく納得した。確かにあの日、彼女がコスメを塗り直したとき、ふわっと甘くて爽やかな香りがした。それが風に混じって、公園の空気の一部になっていた。
遊ぶという行為は、年齢とともに形を変える。子どもの頃みたいに全力で走り回ることはなくなるけれど、芝生の上で笑ったり、シャトルを木の枝に引っかけたり、眠った友人の隣でひそひそ話したりすることも、きっと同じ種類の何かだと思う。
太陽はそのとき、もうずいぶん低いところにいた。オレンジ色の光がシートの上に長く伸びて、みんなの顔を柔らかく照らしていた。帰ろうか、と誰かが言って、でも誰もすぐには立ち上がらなかった。そういう終わり方が、あの日にはぴったりだったかもしれない。
#曜日コスメ
#今日のメイク
#メイクのある暮らし
#コスメ好きさんと繋がりたい
#毎日メイク
#気分で選ぶコスメ
#週末メイク
#デパコスとプチプラ
#コスメレビュー
#美容好きと繋がりたい
#日刊ブログメーカー
組織名:株式会社スタジオくまかけ / 執筆者名:上辻 敏之

コメント